40丸鼻の猟師

                                              丸鼻の猟師

自然生成の奇岩「丸鼻の猟師」 (Bowerman's Nose)

 昔むかしダートムアの東の方に、ボゥワマンという名の猟師が住んでおりました。背の高い力自慢の男で、常に一群れもの猟犬を従えて、荒野で狩りをするのを常としていました。狩の腕は確かなものでしたし、里の人々に気前よく獲物を分け与えていましたので、「気は優しくて力持ち」と評判も上々でした。その頃、ダートムア荒野には魔女たちが大勢いて、とある所でとある時に魔女集会を開いておりました。ボゥワマンは怖い物知らずでしたので、日頃より魔女など恐れるに足らずと豪語していたものですから、魔女はボゥワマンを天敵のように思っていたようです。
 ある秋の夕暮れ時、ボゥワマンは野ウサギを追って猟犬の群れと共に、魔女集会のまっただ中に突入してしまいました。ワンワン、バタバタ、ウォー、ギャーと辺りは正に修羅場でした。隙を見て野ウサギは駆け抜けたので、猟師も猟犬も追跡を続けました。後に残された魔女たちはカンカンです。 冷静を取り戻すと、魔女集団は復習のため、一計を案じました。
 その後暫くして、ボゥワマンは再び近くまで獲物を探しにやってきました。変身上手のレヴェラという名の魔女が野ウサギになって、ボゥワマンをおびき寄せます。レヴェラは巧みにボゥワマンを誘い、時にはすんでのところで捕獲されそうな演技をしたり、時には遙か先方に走り去ったりして、猟師を魔女の縄張りに追い込みました。
 魔女たちはボゥワマンと猟犬を取り囲み、全身全霊で呪いをかけました。 ボゥワマンも追跡に力を使い果たし
ヘトヘトでしたので、魔法の威力に抗しきれず、ついに石にされてしまいました。そして、あれほど恐ろしかった猟犬の群れもついでに石にされ、ご主人様の周りに散らばって横たわっています。

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場所と形状:   デヴォン州、ダートムア、ヘイン丘(Hayne Down)の北斜面。(マナトン村近く)
         ケルン状の花崗岩。自然風化により、7枚の重ね餅のようになっている。
         冠石の谷側が帽子のヒサシのように突き出ている。真横から見ると、大きな顔の男が被って
         いるハンチング帽のようにも解釈できる。

語源: 諸説ある。一説に、ケルト語の “vedr maen” または”fawr maen”(バゥワミーン)が訛って、英語の
”Bowerman” 「ボゥワーマン」と表記され定着したもの。

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<参考資料>
“The Legend of Bowerman’s Nose”, https://www.dartmoor.gov.uk/learnng/dartmoor-legend-of-bowermans-nose),Retrieved April 14, 2020.
“Bowerman’s Nose”, (https//en.wikipedia.org/wiki/), Retrieved April 14, 202.

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