セブンシスターズの伝説
ギリシャ神話に登場する巨人族の一人、怪力のアトラスには、七人の美しい娘がおりました。
乙女たちは狩人のオリオンに見染められ、しつこくつきまとわれました。今で言うストーカーです。
必死に逃げる乙女を憐れんで、主神ゼウスは彼女たちを七羽の鳩に変え、夜空に逃がしてやりました。
七つ星スバルの誕生です。
ところが、オリオン自身も星座となり、猟犬のシリウスを従えて天空に座を占めました。
良く知られているように、七羽の鳩のスバルは春から夏に見られる星座で、それを追う狩人オリオンと犬のシリウスは秋になると見え出す星座。 永遠の恋の追跡劇が宇宙を舞台に展開しています。
この伝説は星座形成後に星座の位置に合わせて生まれたものらしく、ギリシャ神話の内容と辻褄の合わないところがあります。
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<石灰岩の崖、セブンシスターズ>
ドーバー海峡からイギリス海峡にかけての海岸線は白く切り立った崖が断続的に連なる景観美で有名。
サセックス州の七双の屏風の様なエレガントな七つの崖を総称して続にセブンシスターズと呼ぶ。
サセックスの南岸沿いにのうのうと横たわる南部丘陵が、その頭をニョキッと海に突き出した所にセブンシスターズの
連崖がある。南部丘陵を成すのは石灰岩。海にに面した岩盤は、当然荒波の浸食に弱い。垂直に切り立った白壁は、自然の破壊の威力と凄みのある創造美をまざまざと見せつけてくれる。緑原のアンジュレーションが足元から突如として消え、
広獏たる水の広がりへと変化する。落差150メートル。石灰岩は水に弱いので、崖は年に何十センチかの割合で浸食が
進み、後退を続けている。
海岸を沿いの景勝地は州立自然公園『セブンシスターズ・カントリー・パーク』になっている。広大な丘原の散策、水辺の遊び、サイクリングなどが楽しめるので夏場には特に家族連れや犬連れで賑わう。
因みに、古代ローマの時代、ジュリアス・シーザーの指揮するローマ軍が、ヨーロッパ大陸から海峡を渡って今の
ブリテン島に近づいた際、延々と連なる白い崖を目の当たりにした時の印象が「白い国」であった。そこでこの島は俗に
「アルビオン」と呼ばれていた。その後、正式に古代ローマ帝国の属国となり、「ブリテン」の呼称が与えられた。
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