11F 巨石の採掘場所

58サーセン石 (左 割れ目あり)        ストーンヘンジ見取り図 (赤印58サーセン石)            石棒サンプル(直径2.5cm)
stonesofstoneheng.org.jk/              en.wikipedia.org/                      www.english-heritage.org.uk


<寄り道コラム>  ストーンヘンジの巨石、採掘場所の伝説が現実となる

 ストーンヘンジの主役サーセン石の採掘場所はモルバラ丘陵であるのは、長年想定され、伝説のようになっていたにもかかわらず、この度その判明が大々的に報じられたのはなぜだろうか?  主な理由は、ストーンヘンジが
「人類の最重要の遺産」の一つであるから、たとえ片鱗たりとも採取厳禁だから。 本体を損傷しない蛍光X線分析
は許されるが、これでは正確な科学組成を知るには十分でないそうだ。どうしても資料に破壊試験を施す必要があったのだ。
 今回、ブライトン大学のナッシュ教授(Professor David Nash)率いるプロジェクトチームが脚光を浴びているのは、とある資料の入手により、巨石の産出地がモルバラ丘陵であると科学的に決定づけたことだ。しかも、ストーンヘンジの北方25kmにあるウエストウッズ(Westwoods) であるとまで特定できた。
 大きく事が動いたきっかけは、2018年に筒形の石棒(直径2.5cm、元の長さ108cm)が、米国在住のロバート・フィリップス氏(Robert Phillips)からストーンヘンジの管理者イングリッシュ・ヘリテッジに返却されたことだ。
この石棒は、1958年の大規模補修事業の際に、58番巨石からドリルで摘出されたもの。当時、58番サーセン石には大きなクラックがあり、その割れ目を補修する目的で3本の鉄棒を巨石の内部に差し込む決定がなされた。その作業に先立って、鉄棒のサイズに合わせて石の内部をくり抜く必要があった。
 補修後、3本のくり抜かれた石棒はご用済みで無用と考えられたのだろうか。記念品として作業担当者に分け与えられた。その一人がフィリップスさん。 彼は1977年にアメリカに移住した際に、当局の許可を得て、石棒を家宝のように大切に携行した。 90歳を目前にした2018年、は石棒をイングリッシュ・ヘリテッジに返却する決心をした。今年2020年になって他界したそうだが、自分の所蔵していた石棒サンプルが科学的解明に役立った知らせは間に合ったのだろうか。 因みに、残り2本の石棒はいまだ行方不明とか。

<余録> 52個あるサーセン石のうち、50個がウェストウッズ(赤印)
から運ばれたことが判明したわけだが、想像を逞しくすると、運搬方法は
川だったに違いない。 恐らく筏状のものに載せてエイヴォン川を
下り、ストーンヘンジ(緑印)近くのダーリントン(Durrington) 辺り
まで運んだと考えられる。
紀元前2500年の太古であれば、これが一番楽な方法であろう。
①石切場から最寄りのの川岸までと、②ダーリントン辺りから
ストーンヘンジの現場までは、陸上運搬となるが、コロを利用しての
ソリか筏状の運搬具を使用したのだろう。

     右地図: エイヴォン川流域 (https.riverlevels.uk/ )
     ウエストウッズ ・・・・・赤印 
        ストーンヘンジ ・・・・・緑印 


 

 

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<参考資料>

"Missing Piece of Stonehenge Returned" (https://www.english-heritage.org.uk/about-us/search-news/pre-stonehenge-core/)
     Retrieved August 12, 2020.
"Brighton scientists unlock the secret of the Stonehenge stones" (https://www.brighton.ac.uk/new/2020) Retrieved August 10, 2020.
"Stone 58" (www.stonesofstonehenge.org.uk/search/label/Stone 058) Retrieved August 12, 2020.
"Stonehenge" (https://en.wikipedia.org/wiki/File:Stone_Plan.jpg) Retrieved August 12, 2020.

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